熱の伝わり方にはいくつか種類があります。身近なところでは「伝導」と「対流」ですが、それに加えて輻射(放射)というものがあります。暖房での活用のほうが有名で、カーボンヒーター(グラファイトヒーター)、シーズヒーター、反射板式灯油ストーブなどです。これらの機器の狙いは、空気中に熱を漏らすことなく通過し、対象物(特に人)を直接温めることであり、こういった性質をもつ波長の電磁波である、遠赤外線を多く放出するように作られています。ちなみに、太陽の熱エネルギーが直接地球に届くのも、真空中では輻射された熱が吸収されないためです。
あまり普段は意識することはありませんが、熱を持った物質は例外なくこの熱放射を行っています。ただ、夏の昼間は、熱放射で放出する熱量よりも太陽からもらう熱量のほうが大きいため、熱放射は相殺されてしまうので体感することはできません。
さて、ここからが本題です。
熱放射により物が冷える現象は、冬のよく晴れた朝の「放射冷却現象」がなじみ深いと思います。これは、地球上から放射された熱が雲(水蒸気)などで遮られないため、宇宙空間まで逃げていってしまうことで地表が冷やされる現象です。
条件さえ揃えることができれば、夏場の夜に放射冷却を利用して氷を作るのが可能だそうです。
この現象を利用した、同様の冷房(もしくは冷却)装置の自作にトライできないものかと調査してみました。
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