太陽熱

太陽熱の利用

ソーラー発電のことを調べていると、太陽のエネルギーは電気に変換するよりも「熱」のまま利用するほうが効率がよいとの情報がたくさんでてきます。
一般に、ソーラー発電は15~20%のエネルギー利用効率なのに対し、太陽熱利用では40~60%の効率が期待できるようです。電気の方が汎用性が高いので一概にエネルギー収集だけでは語れませんが、逆をいうと有効な活用法が実現できれば費用対効果を高めることができそうです。
そういえば、ソーラー発電が流行る前は、屋根の上に太陽熱で温めたお湯を貯めるタンクを設置していた家が多かった気がします。調べてみると悪徳業者による訪問販売の影響で廃れてしまったとか。まぁ本当に投資価値が高いものならば、たったそれだけの理由で廃れるとも思えませんが。
まずは、太陽熱をテーマにしたDIYにはどのような事例があるのか調べてみました。

お湯として利用する

ソーラー発電の電力は暖房、冷房、その他さまざまな活用方法があるので年中有効なのに対し、太陽熱は熱なので、夏場の利用方法が限定されると思われます。その中でお湯は通年で使うものなので、利用期間が長いというのはやはり重要なファクターになりそうです。

浴槽に貯める

国内のDIYでは、直径10cm程度の塩ビパイプを黒く塗り、太陽の熱を集めてお湯を作る事例が多いです。塩ビパイプの直径が太いのは、それがタンクの役割も兼ねることでシンプルな構成となり難易度を下げているように思ました。
給湯系統に接続できたほうがお湯の利用範囲は広くなりますが、水圧の問題や既存の給湯系統との接続がハードルとなるため、独立した系統で浴槽のお湯張りに活用しているケースが最も多いようです。太陽熱のオフグリッド版ということですね。
海外では、黒色の、ゴムやプラスチックホースをとぐろ状に巻いたもので太陽の熱を集め、温水プールの温度を温める事例が多く紹介されていました。こちらもやはり独立型になるかと思います。

給湯系統に接続する

浴槽のお湯張り以外での活用として、キッチンなどに既存とは別系統の蛇口を付けるといった事例があります。シンクや床下での作業が必要となるので簡単な作業ではありませんし、中途半端な湯温になることが気がかりです。
既存の給湯器への給水に「温かい水」として供給することができれば、消費するガスや電気代を削減でき、且つキッチン、風呂、洗面所など、すべての給湯に利用できるので理想形な気がします。
さらなる調査検討については太陽熱温水活用の検討をご覧ください。

暖房に利用する

DIY全般に言えることですが、「水」を使うと施策は非常に慎重さを伴います。水漏れが発生しようものなら家屋に莫大な影響を与えかねません。その点、水ではなくて温風で熱を運ぶことができれば、少々漏れたところで大きな問題にはなりません。

温風を部屋に送って暖房にする

「ソーラーウォール」と呼ばれる太陽熱温風暖房の紹介を見つけました。
なかなか面白そうですが、利用期間が冬季に限られてしまうのと、我が家は集熱器を取り付けられそうなベランダと一番暖めたいリビングが離れていることが懸念点です。

ソーラーウォールを作ってみた
除湿・カビ対策に 太陽光集熱&発電パネル ソーラーウォーマー
Screenshot of ifujiyan.blog.jp

蓄熱材に熱を蓄えて夜の暖房にする

太陽熱を暖房として活用することを考えたとき、一番有効に働く時間帯は夜と朝方です。この、集熱と利用の時間差をうまく埋めることができれば、効果倍増ということになります。
類似の商品として、蓄熱式暖房機が思い浮かびました。これは、安い夜間電力を利用して蓄熱量の多いレンガに熱を貯めておき、朝方からその熱を放出することで暖房費を抑えるというものです。
これをDIYでやる場合、蓄熱材の置き場所と熱交換の方法が課題となりそうです。ソーラーウォールが部屋まで温風を吹き込めればよいことに対し、蓄熱材にうまく熱を貯めてあげないといけないためです。また、蓄熱式暖房機は、電熱線でレンガを数百度まで熱することで十分な熱が蓄えられますが、太陽熱だと一定温度以上は厳しいので、たいした蓄熱量にはならない気がしました。
調査を進めていくと「潜熱蓄熱材」という存在を知りました。暖房だけでなくさまざまな活用方法があるかもしれないと思いさらに調べてみましたので、潜熱蓄熱材(PCM)の調査をご覧ください。

太陽熱で発電はできないものか?

太陽熱はソーラー発電よりも3倍近いエネルギー収集の効率というのなら、その熱を電気に変換してもまだその優位性を保てるのでは?との発想です。(まぁ本当にそうならとっくに実用化され、多くの家庭に採用されているわけですが)

バイナリー発電

温度差を利用したバイナリー発電というものが存在することを見つけました。残念ながらこれは地熱発電などの大規模発電所で使われている技術でした。「マイクロバイナリー発電」とのキーワードがあったのでおぉっ!?と思ったのですが、これは工場などの廃熱の利用を想定した、従来製品よりは小型で低温度差に対応した製品であり、家庭に導入できるサイズには程遠かったです。
温度差という点では「スターリングエンジン」というものも同じ仕組みを利用していましたが、アルコールランプを熱源とした実験・模型用のものが多く、このタイプでも温度は数百度にはなっているはずであり、太陽熱程度の温度では厳しいと思われます。
20℃(気温)~80℃程度の範囲で気化⇔液化を繰り返す媒体なら太陽熱で蒸気タービンを回すことができるのではないか?と思いましたが、このような事例を見つけることはできませんでした。

ゼーベック効果

2種類の半導体素子に温度差を与えると電気を発するという事象の活用です。まだ出力が小さく発電という感じではないですが、遠隔地やメンテナンスしにくい場所の小型センサーの電源など、特性に応じた利用方法が考案されているようです。

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